「リクルート」は知名度の高い企業であり、多くの転職希望者にとって魅力的な企業でもあります。しかしながら、企業の実態を把握しないまま転職・入社してしまうと、転職を後悔するリスクを高めることになるでしょう。
そこで、本記事ではリクルートに転職するにあたって把握しておくべきことについて解説します。
<新井の略歴>
アメリカの大学を卒業後、IT系ベンチャー企業にて経験を積み、人材採用のトータルソリューションカンパニーの人材紹介部門に転職。トップキャリアコンサルタントになり、コープラス創業メンバーとして参画しました。
「ビズリーチ」が主催し、約5,100名から日本一のヘッドハンターを選出する「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2022」」IT・インターネット部門のMVPに選出されています。(2022年7月現在)
また、全エージェント中、決定率、紹介決定者数、転職決定者数が【No.1】ということでリクルート社から表彰されました。
【新井の一言】
リクルートは周りの社員のレベルが高く、狭き門ではあります。
リクルートの年収は他の企業と比べて、高い方ではありますが、、昨今のIT人材不足の影響から、日系のコンサルの方が給与はやや高めに設定されることが多いです。
しかし、単純に年収が高いことにつられて転職先を選ぶと、その時の年収は高くなっても将来的な市場価値が下がる場合もあるので注意が必要です。
また、リクルートを経由すればキャリアに箔が付くので、コンサル系の企業など転職先の選択肢も広がります。
【この記事の概要】
この記事ではリクルートがどのような企業であり、どのような人材を求めているかについてまとめています。
どうしたらリクルートの転職できるのか、事業、社風、残業、給与、面接対策など総合的にまとめているので、ぜひご一読ください。
また、応募するか悩んでいる方や、自身がリクルートに合っているのか悩んでいるか方は、ぜひ弊社のキャリア相談をご活用ください。
リクルートとはどんな企業なのか?
まずは、リクルートという企業がどのような企業であるのかについて見てみましょう。企業研究の基本ですから、いくつかのポイントを見てリクルートがどのような方向性を持った企業であるのかを把握するのが重要です。
この項目では、「サービスの概要」「ビジョン」「ミッション」「価値観・バリュー」の4つの点を解説し、リクルートの企業としての本質を紐解きます。
16のサービスを提供
リクルートというと「就活・転職のためのサービスを提供している」というイメージがありますが、具体的には以下の16種類のサービスを展開しています(2022年3月末時点)。
- 新卒採用メディア:学生及び既卒生を対象にした就職に関する情報を提供する
- 中途採用メディア:転職に関する情報を提供する
- 就職、採用、労務支援:就職や転職のサポート、企業向け業務支援サービスなどを提供する
- HRエージェント:人材を求める企業と働きたい個人の価値ある結びつきを支援するサービスを提供する
- アルバイト・パート:あらゆる世代の多様な求職者に向けたアルバイト・パート情報を提供する
- 住まい:住まいの「借りたい」「買いたい」「建てたい」「売りたい」「リフォームしたい」に関する情報を提供する
- マリッジ&ファミリー:婚活・結婚・出産育児にまつわる情報を提供する
- 自動車:中古車情報からカー用品通販までクルマに関する情報を提供する
- 進路:学生や社会人の進路選択をサポートする情報を提供する
- 学習:学生や社会人に向けた学習サービス、学校向けの教育支援サービスを提供する
- 旅行:旅行に関する幅広い情報を提供する
- 飲食:飲食店情報やクーポン情報を提供する
- ビューティー:ヘアサロン、リラク&ビューティーサロン、コスメなどの情報を提供する
- 業務、経営支援:テクノロジーを活用した業務・経営支援サービスを提供する
- 新規事業・R&Dその他:時代の変化に沿った様々なサービスを提供する
- 総研:リクルートのビジネス領域に合わせ幅広く展開している調査・研究機関
人と人、人と企業をつなぐ役割は社会において重要な仕事です。さらに、事業はどれも日本有数のサービスばかりで、事業の規模や社会的価値を通して仕事のやりがいを十分に感じることができるでしょう。
リクルートの目指すビジョン
リクルートは、「企業として目指すビジョン」として以下の内容を提示しています。
「~Follow Your Heart~
一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています」
このビジョンからは、リクルートが「個人を大切に考えている」ことを読み取れます。また、個人が大切なことを見つけ出して夢中になることが、将来的に「組織」という単位に対しても影響し、より良い未来を生み出せることについても言及していることがわかります。そのため、リクルートに就職すれば、社員として個人の能力を尊重してもらうことができるでしょう。
リクルートが果たすべきミッション
リクルートは、企業として果たすべきミッションとして以下の内容を提示しています。
『~まだ、ここにない、出会い。
より速く、シンプルに、もっと近くに。~
私たちは、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することで、「まだ、ここにない、出会い。」を実現してきました。
いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、より最適な選択肢を提案することで、「まだ、ここにない、出会い。」を、桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。』
リクルートは「マッチング」を中心に事業展開しているからこそ、その本質について言及しています。ネットが使える現代で「情報を手に入れられることが当たり前」の時代だからこそ、「スピード」を重視したアクションをミッションとして考えていると評価できます。
リクルートが大切にしている価値観・バリュー
リクルートは、企業として大切にしている価値観・バリューとして、以下の内容を提示しています。
「~新しい価値の創造~
世界中があっと驚く未来のあたりまえを創りたい。遊び心を忘れずに、常識を疑うことから始めればいい。良質な失敗から学び、
徹底的にこだわり、変わり続けることを楽しもう」
「~個の尊重~
すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイディアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する」
「~社会への貢献~
私たちは、すべての企業活動を通じて、持続可能で豊かな社会に貢献する。
一人ひとりが当事者として、社会の不に向き合い、より良い未来に向けて行動しよう」
リクルートへの就職を考えるにあたっては、この3つの価値観を心の底から理解し、共有できる人材であることが望まれるでしょう。この3つの価値観を共有できれば、やりがいのある仕事で充足した人生設計を描けるはずです。
【新井の一言】
リクルートが求めるものはサラリーマンの究極ゾーン。かつては、採用ハードルが極めて高く、採用される人は一握りでしたが、昨今、人材の需給がひっ迫しており、さすがのリクルートも今までよりは、間口を広げている感があります。
転職するなら今がチャンス、ともいえます。採用されるためには圧倒的当事者意識、周りを巻き込んで仕事進めてきたなどの経験やスキルが必要となります。
リクルートの企業概要
次に、企業研究において基本となる「企業の概要」について解説します。リクルートの企業概要を把握しておけば、リクルートの現状だけでなく、将来性についても理解するきっかけとなるでしょう。
この項目では「会社概要」「売上の推移」「株価の推移」「コロナ対応」「子会社」の5つについて解説します。
会社概要
会社概要のページの内容についてまとめました。
- 2012年10月1日…株式会社リクルートホールディングス設立時の分社化により設立
- 2018年4月1日…株式会社リクルートに商号変更
- <本社所在地>〒100-6640 東京都千代田区丸の内1-9-2グラントウキョウサウスタワー
- <登記上本社>〒104-0061 東京都中央区銀座8-4-17リクルート銀座8丁目ビル
- 代表電話:03-6835-3000
- 従業員数:15,807人(2021年4月1日現在 / アルバイト・パートを含む)
- 資本金:3億5千万円
- メディア&ソリューション事業の売上収益:6,720億円(2020年4月1日~2021年3月31日)
- メディア&ソリューション事業のEBITDA:1,067億円(2020年4月1日~2021年3月31日
売上の推移
リクルートホールディングス全体の連結決算の情報では、2018年3月期の決算情報以降、グループ全体の売上高としては年間2兆円台で推移しています。
営業利益・経常利益・当期利益に関しても、2019年3月決算時の営業利益2,230億円をピークとして伸びていますが、2021年3月決算時には1,628億円に落ち込んでいます。経常利益および当期利益についても前年度ベースで2割ほど落ち込んでいますが、この時期は「新型コロナウイルス」の影響がほぼすべての企業に対して及んでいるため、リクルートにおいても同様の影響があったはずです。株価などの情報を比較してみても、他の大手企業と遜色ない結果になっているといえます。
株価の推移
リクルートホールディングス全体の連結決算の情報では、リクルートホールディングスの株価は、2022年3月30日の終値で5,625円となっています。発行株式総数は約17億株、時価総額は9兆円を超えています。一時的には下落しましたが、本当に実力がある会社と投資家が判断しており、この先さらなる成長が見込まれます。
コロナ対応のまとめ
リクルートは、新型コロナの影響が自社のビジョン等に悪影響を及ぼしている、その活動に反する出来事であると考え、いくつかの対策を行っています。
たとえば株式会社リクルートキャリアでは、2020年4月22日にコロナの影響で入社前の内定取消・入社後の退職勧告に遭った新卒向けに、就職活動やそれに伴う不安に関する相談を支援する取組みを始めています。
また、株式会社リクルートジョブズでは、2020年5月11日より各種求人情報サイトにおいて新型コロナウイルス対策支援特集を掲載しています。
このように、リクルートでは自社サービスに関連して新型コロナの影響により不利益を被っている求職者を中心に、さまざまな取り組みを展開しています。リクルートに就職すれば、そうした人たちに対して貢献することもでき、社会貢献の一助にもなるしょう。
子会社情報
株式会社リクルートでは、国内外に以下の子会社を有しています。
まずは国内の子会社です。
(株)リクルート / 北海道じゃらん / 東海カーセンサー / キャリアコンサルティング / カーセンサー / 西日本カーセンサー / 北関東マーケティング / メディカルキャリア / ライフスタイル沖縄 / ゼクシィなび / ペイメント / MUFGビジネス / エグゼクティブエージェント / マネジメントソリューションズ / コミュニケーションエンジニアリング / (株)働きがいのある会社研究所 / (株)リクルートオフィスサポート / (株)シーナッツ / (株)ホームプロ / (株)ニジボックス / (株)ヒューマンキャピタルテクノロジー
海外の子会社情報は以下のようになっています。
・Quandoo
Australia Pty Ltd. / Austria GmbH オーストラリア / Australia
Finland Oy. フィンランド / Finland
GmbH ドイツ / Germany
Hong Kong Ltd. 香港 / Hong Kong
Italy S.R.L. イタリア / Italy
Netherlands B.V オランダ / Netherlands
Singapore Pte Ltd シンガポール / Singapore
Switzerland GmbH スイス / Switzerland
Turkey Bilişim Ltd. Şti. トルコ / Turkey
UK Ltd. イギリス / United Kingdom
Limited イギリス / United Kingdom
・Trustyou
GmbH ドイツ / Germany
Inc. アメリカ / United States
K.K. 日本
PTE. LTD シンガポール / Singapore
ROMANIA S.R.L. ルーマニア / Romania
SL スペイン / Spain
・RGF
International Recruitment Holdings Limited 香港 / Hong Kong
HR Agent Hong Kong Limited 香港 / Hong Kong
Talent Solutions Singapore Pte. Ltd シンガポール / Singapore
SELECT INDIA PRIVATE LIMITED インド / India
HR AGENT VIETNAM CO., LTD ベトナム / Viet Nam
HR Agent Recruitment (Thailand) Co., Ltd. タイ / Thailand
HR Agent Eastern Seaboard Recruitment Co., Ltd. タイ / Thailand
Management Solutions(Thailand)Co.,Ltd. タイ / Thailand
・RSP
Investments US Inc. アメリカ / United States
BLOCKCHAIN TECH FUND PTE. LTD. シンガポール / Singapore
Megagon Labs, Inc. アメリカ / United States
上海艾杰飞人力資源有限公司 中国 / China
英智人才服务(上海)有限公司 中国 / China
伯樂慧智人才服务(上海)有限公司 中国 / China
伯乐慧智人才服务(北京)有限公司 中国 / China
北京瑞可利企业管理咨询有限公司 中国 / China
艾杰飞睿识人才服务(上海)有限公司 中国 / China
BO LE ASSOCIATES GROUP LIMITED 香港 / Hong Kong
BO LE LEADERS LIMITED 香港 / Hong Kong
RYK Capital Partners Limited 香港 / Hong Kong
伯樂亞太管理顧問有限公司 台湾 / Taiwan
Bo Le Holdings Ltd. ヴァージン諸島 / Virgin Islands, British
- Quippper Edukasi Indonesia インドネシア / Indonesia
PT RGF HUMAN RESOURCES AGENT INDONESIA インドネシア / Indonesia
AGENSI PEKERJAAN RGF EXECUTIVE SEARCH MALAYSIA SDN. BHD. マレーシア / Malaysia
国内企業だけでなく、リクルートグループには中国やシンガポールなど、東南アジアを中心に海外にもグループ企業が多数あります。
リクルートが目指す目的「不の解消」
リクルートは、創業から60年を超えてもなお進化し続ける会社です。現在その目指す目的としては「不の解消」というキーワードを掲げています。リクルートの目指す「不の解消」とは、どのようなものなのでしょうか?
リクナビとの「共食い」を気にしない
リクルートが、グローバル展開の中核として据えているのは、求人検索のグーグルとも呼ばれる「インディード」です。2012年にリクルートが買収した米インディードは、買収後に5年の歳月をかけて売上高を12倍まで引き上げています。
インディードがもたらす、「業界への破壊力」は、他でもない買収先であるリクルート自身にも跳ね返ってくると評価されていました。世間的な知名度の高い「リクナビ」をはじめとして、リクルートの国内の人材募集事業は決して小さくない売り上げ規模を達成しています。
そんなリクナビも、インディードの存在感が増すことで利用者を囲い込み続けることは難しくなります。求人・採用にあたってインディードを主要な取引相手に据える企業が増え続ければ、リクナビなどの媒体も将来的にインディードに収益源を奪われ、逆にのみ込まれてしまう可能性もあると考えられていました。
しかし、リクルートの社長である「人材領域で世界ナンバーワンを目指す上で、中心はインディード」と断言しています。この構図は同業種での顧客の食い合い、要するに「共食い」と評価されていますが、当の本人たちはそれを気にしていなかったということになります。
目指すのは「なくてはならない存在」という立ち位置
これと同じように、リクルートの「不を解消する」というキーワードで重要なトピックが「スタディサプリ」の存在です。
スタディサプリの生みの親は、リクルートへの入社当時、配属された進学・教育事業は当時苦戦が続いていたことで部署内に閉塞感が漂っていた状況でした。その転機となったのは、出木場久征氏の「リクルートの事業はロマンと算盤を兼ね備えているべきだ」という言葉です。
「単なる事業の再生」ではなく、「子供たちに新しい学びの場を提供したい」という思いで他の社員を巻き込みました。教育現場や子供たちの学習の実態を調査してサービス開発のスピードを加速させた結果生まれたのが、今では動画の本数は1万本を超えて有料の累計年間会員数が40万人を突破し、全国で1000校以上の高校でも学習指導などの補助ツールとして導入されている、スタディサプリです。
その後、スタディサプリは教育業界における「台風の目」へと育ち、高い知名度と業界シェアを確立するに至りました。
事業の深堀りで課題解決を目指す
その後もリクルートは「Airレジ」などの画期的なサービスを生み出し、業界にあった既存の固定概念を壊して新市場を確立しています。そうした手法で目指すのは、サービスから膨大なデータを得てこれを活用し、顧客の業務改善や売上の増加といった課題を解決することにあります。
単発のサービスに終わらせずに、連鎖的に別のサービスと結びつけることにより新たな価値を生むことをセオリーとしています。それにより、顧客にとって「なくてはならないサービスである」と思わせ、事業の幅と深みを増すことを、リクルートの強みであるととらえています。
顧客の課題解決につなげるところまで事業を深掘りする、ある意味で「しつこい」ともいえるようなその立ち向かい方が、リクルートが手掛ける新事業の成功につながっているのでしょう。
海外の人材派遣に成長を見出す
求人広告を祖業として成長を続けてきたリクルートホールディングスは、近年その事業のポートフォリオを大きく変える動きを見せています。現在、売上規模が最も大きいのは「国内外での人材派遣事業」で、2017年3月期の全社売上高のうち約6割がこの事業によるものです。
もともと、リクルートは人材派遣では後発組でした。リクルートは2007年に「旧スタッフサービス・ホールディングス」を買収し、国内首位となりました。その後は2016年にオランダの人材派遣大手である「USGピープル」を買収するなどして、海外でのM&Aに強い意欲をみせています。その事業エリアは国内だけでなく、北米や欧州、オーストラリアに至るまで広がりました。
その主導者がマネジメントの肝としているのが「ユニット経営」と呼ばれる手法です。このマネジメント手法は、職種・エリアに基づいて10~100人規模の組織を「ユニット」として権限を委譲します。ユニットに対して事業運営や業績管理を任せる一方で、情報共有により透明性を確保して目標達成に向けて自立させる経営手法です。
現在、リクルートは海外に事業の目を向けているものの、これらの経営手法が海外市場でも通用・浸透するかどうかについては、未だ評価の途中です。リクルートに就職すれば、海外展開に貢献するような仕事を任されることもあるかもしれません。
常に危機感と隣り合わせ
そんな順風満帆ともいえるリクルートが歩んできた道のりですが、決してその通りであったとも言い切れません。最大の理由は「リクルート事件」にあります。1988年に発覚し、「戦後最大の企業犯罪」と呼ばれたこの事件で、創業者は会社を去り、残された社員たちは強い批判の中で生き残りをかけて仕事をせざるを得なかった状況です。
代替わりした社長の主導により、リクルートは徹底した事業・組織の見直しを図ることになりました。その結果として、今では誰もが知る「ゼクシィ」「リクナビ」といったサービスが誕生し、リクルートを支える事業として成長を遂げました。
こうした背景があるゆえに、「変わり続け、革新を起こし続けねばならないという危機感は常に社内に存在してきた」と評価する人が、リクルート内に存在します。海外市場という簡単ではないビジネスフィールドを相手に、リクルートは今後どのような道筋を歩み、世間にどう評価されるのかが注目されています。
リクルートのサステナビリティ
昨今、ビジネスの世界においても「サステナビリティ」というキーワードが重要視されています。リクルートにおいてもサステナビリティを重要課題として掲げており、「6つの方針」と「5つの重点テーマ」を設定しています。
この項目では、リクルートのサステナビリティの考え方や、具体的な行動指針などについて解説します。
6つの方針
リクルートでは、サステナビリティのテーマにおいて、その基本方針として以下の内容を掲げています。
株式会社リクルートは、サステナビリティ方針に基づき、
サステナビリティマネジメントの仕組みを構築しています。
様々なステークホルダーとのエンゲージメントから社会の期待に応え、企業市民としての責任を果たします。
1つ目は「行動指針」です。リクルートでは「事業で社会に貢献する」「社会の期待に応える」「企業市民としての責任を果たす」の3つを、サステナビリティの行動指針として掲げており、「一人ひとりが輝く豊かな世界の実現」を目指して社会貢献をすることを宣言しています。
2つ目は「価値創造プロセス」です。リクルートグループでは価値創造において「人的資本」を特に重視し、社員の個性を活かして自律を促す人材マネジメントを実践しています。強力な人的資本が、「リボンモデル」が示す事業活動を拡大して個人ユーザーと企業クライアントを迅速かつ効果的にマッチングします。その結果として、企業理念にある「まだ、ここにない、出会い。」が創造され、「一人ひとりが輝く豊かな世界の実現」につながると信じて活動することを宣言しています。
3つ目は「サステナビリティマネジメント」です。リクルートでは、サステナビリティに関する取り組みの全体像を「サステナビリティオービット」と呼んでいます。ステークホルダーとの対話や国際潮流の動向把握を通して社会からの要請・期待を認識し、社外専門家と社内経営陣を交えたサステナビリティ委員会にて深く議論します。リクルートホールディングス取締役会にて経営陣のコミットメントを得て、その行動指針に沿って具体的なサステナビリティ活動を推進することが、リクルートが掲げる軌道の循環です。
4つ目は「人権方針」です。グローバル化をはじめとした社会の変化と、急速なデジタル技術の発展は、世の中に「持てる者と持たざる者の格差」を拡大し、社会的少数者や弱者の経済社会への参画を阻んできたと評価しています。リクルートは世界が向かう包摂的な社会実現の方向性に賛同し、個人と個人が切磋琢磨して価値を創発するための力になりたいと考えています。
5つ目は「環境ビジョン」です。多くの人が笑顔になる世の中の実現のために、地球環境保全活動の輪(エコ・スマイル)を広げていくことを基本に据えています。具体的な方策として「事業を通じた環境保全活動」「気候変動の取り組み」「リサイクル・省エネルギー・汚染予防・生物多様性保全の取り組み」「従業員への積極的な環境意識醸成・行動支援」の実施を掲げています。
6つ目は「お客様と社会に対する責任」です。信頼性向上に積極的に取り組むために、「CS(顧客満足)品質」「市場調査情報」「調達ガイドライン」「パーソナルデータ指針」の4つについて公表しています。
5つの重点テーマ
リクルートは、サステナビリティのための具体的なテーマとして5つを設定し、5つテーマそれぞれにおいて活動内容を公表しています。
1つ目のテーマは「働き方の進化」です。求人広告事業から始まったリクルートの歴史は働き方についても深い関連を持っています。具体的な活動内容としては、人材開発方針を設定し、「ボランティア・マッチングギフト制度の制定」「タウンワークトライワーク(職場体験学習活動の支援)」「キッザニアパビリオン出展」といった内容で活動しています。
2つ目のテーマは「機会格差の解消」です。多くの人々に新たなチャンスをもたらすことを課題として、ユーザー・クライアント間を結び付ける事業活動を通じて世界中の機会格差を解消することを目的としています。具体的な活動内容としては「WORK FIT」「訪問美容」「マジ☆部」「地方創生」という活動を行っています。
3つ目のテーマは「多様性の尊重」です。一人ひとりが違うこが、大きな価値を生むことをテーマとして、個人が互いの違いを認め合い創発する社会を実現することを目的としています。具体的な活動内容としては「ダイバーシティ&インクルージョン」「障がい者雇用」「パラリング」「アスリート支援」「SUUMO for LGBT」といった活動を行っています。
4つ目のテーマは「人権の尊重」です。人権の尊重なくして、ビジョン「一人ひとりが輝く豊かな世界」の実現はないと考え、グループで掲げた人権方針と倫理綱領に基づいて多様なステークホルダーの人権を尊重する企業であり続けたいとしています。具体的な取り組み内容としては「人権デューデリジェンス」「人権教育」「人権に関する相談窓口の設置」といった活動を行っています。
5つ目のテーマは「環境の保全」です。リクルートでは、自分たちの影響力を把握して気候変動・資源の保全・生物多様性という環境負荷の削減に取り組むとともに、環境に配慮したライフスタイルを社会に向けて啓発することを掲げています。具体的な取り組みとしては「環境マネジメント」「気候変動への取り組み(Co2排出量の削減)」「資源の保全」「従業員啓発」といった活動を通じて環境保全に取り組んでいます。
事業を通じた社会貢献活動
リクルートでは、その事業を通じて「一人ひとりが輝く豊かな世界」の実現を目指しています。たとえば「ホットペッパービューティー」も、リクルートの主要な事業内容の1つであり、サステナビリティにも貢献している事業の1つです。
ホットペッパービューティーは、顧客を探しているビューティーサロンと、美しさに磨きをかけたいユーザーをつなぐマッチングを行っています。どれだけ優れた技術をもったサロンでも、立地や宣伝戦略によってはユーザーに気づいてもらうことができません。そのサポートなるような情報媒体として、ホットペッパービューティーは多くのサロンとユーザーをつなぐ架け橋としての役目を果たしてきました。
その他にも「スタディサプリ」もそうですし、サステナビリティに関連したプロジェクトとして「iction(イクション)」「保活総研」といった活動も行っています。こうしたサステナビリティに関連した活動に目を向けることも、リクルートの企業としての実態を理解するうえで重要なことです。
リクルートの事業戦略
企業としての活動の良し悪しを決める1つの基準に「事業戦略」をチェックするという方法があります。事業戦略は、その企業が将来的にどのような戦略をもってして事業を運営し、企業としての成長や社会貢献活動の内容を決める要素として、外部の人でも簡単に把握できる貴重な情報です。では、リクルートはどのような事業戦略を策定しているのでしょうか。
中長期の経営戦略進捗
リクルートは、数年かけて起こるはずの変化に直面し、社会変革を伴う恒久的行動変容が必須であるとしています。一時的行動変容として「3密」を回避した消費活動・企業活動を、恒久的行動変容として働き方変革「会わねば・行かねば・集まらねば」のための人を介すサービスのオンライン化を提示しています。
中長期戦略の具体的な内容として、1つ目に掲げているのは「人材マッチング市場におけるグローバルリーダーへの挑戦」です。その具体的な手法としては、インディードによるオンライン完結型採用支援ツールの提供を提示しています。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて開発スピードを早めて提供、グローバルに加速する求職・採用活動のオンライン化をリードするとしています。
2つ目は「業務・経営支援サービス拡大による企業の生産性向上への貢献」です。「Air ビジネスツールズ」を中心とした、業務・経営支援の拡大を具体的な手法として提示しています。企業の業務効率化や経営力強化を強力に支援するサービス群によって事業継続を支え、コロナ禍においても安全・安心・便利の3点において貢献して企業の経営サポートを行います。
2021年3月期の業績見通し
2020年6月22日に公開された「対処すべき課題・今後の中期事業戦略」においては、新型コロナウイルス感染症の拡大がリクルートの事業に及ぼす影響の合理的な見積もりが、現段階で困難なことから「未定」としています。同資料においては、当該影響を合理的に分析して合理的な業績予想が可能になった時点で、2021年3月期通期の連結業績見通しを開示予定です。
リクルートが2022年2月14日に発表した、2022年3月期通期の業績予想は3,500億円~3,800億円で、これは従来の業績予想を据え置いたものです。この業績予想に対して、市場では「強い決算」とするものの、市場予想がこの金額を若干上回っていたことから失望感が広がり、その結果として日経平均株価を押し下げる要因になったとされています。
とはいえ、新型コロナウイルスの影響が数年単位で多くの企業に関わっていることを考えると、リクルートの業績見通しにそこまで悪い評価を下すことはできないでしょう。事業内容やIR資料の内容を考えれば、リクルートの将来性はまだまだ明るいといえます。
リクルートの給与と福利厚生
企業研究において、多くの方はその企業で実際に働くことになるとして、どういった待遇で雇用してもらえるのかという部分が特に気になるでしょう。待遇面としては、特に「給与」「福利厚生」といった条件をしっかりと確認しておくことが、入社後のミスマッチを回避する大きな要因となるでしょう。
この項目では、給与面や福利厚生面、残業の状況といった項目について、それぞれ簡単に解説していきます。
リクルート(総合職)の年収
リクルートの有価証券報告書に記載されている情報によると、2021年3月時点でのリクルートの平均年間給与は約950万円とされています。同資料によると、平均勤続年数は8.19年、平均年齢は38.7歳とされています。
ただし、上記の平均年収のデータは、あくまでも「一般職を含めたデータ」になります。そのため、年収のデータを「総合職の社員に限定する」とすれば、もっと高い水準になると予想できるでしょう。具体的には、30歳時点で1,000万円、40歳時点であれば1,500万円クラスの年収を得られると予想できます。
このような高額な水準の年収になる要因の1つとして、リクルートが採用している「ミッショングレード制」という半期年俸制度が挙げられます。この制度は期の初めに定量・定性目標を設定して、それに対する達成度によって次期の半期年俸が決まるシステムです。
つまり、いわゆる「年功序列」の社風ではなく、社員の実力次第でそれに見合った給与が支払われる仕組みになっていると評価できます。そのため、20代の若い世代であっても、実力と成果次第では年齢から考えると想像を超えるような高額な年収を得られる可能性が十分にあります。
リクルート(総合職)の初任給
リクルートに就職する場合、総合職の初任給は平均して約30万円といわれています。
同業他社と比較すると高額な初任給となっていますが、その最大の要因は前述の「ミッショングレード制」にあると考えられます。要するに、入社間もない社員であっても与えられたミッションの達成度合いに応じて手当てがプラスされるため、その分だけ平均の初任給も他社と比較して高額になっています。
リクルート(総合職)の役職/年次と年収
リクルートでも、他社と同様に与えられた役職の重要度が、年収にも左右されるという特徴があります。
具体的には、チームリーダークラスの役職であれば、25歳から任されるケースも多く、年収は一般社員のそれよりも高額な700万円クラスに引き上げられます。そこからさらに昇進してグループマネージャー(28歳目安)になれば1,000万円前後の年収になることが期待できます。
部長クラスともなれば、1,500万円クラスの年収になることも夢ではありません。
リクルートは完全な実力主義の評価制度を採用しているため、役職に対する目安となる年齢が必ずしも当てはまるわけではありません。要するに、若くして上級職に就ける社員もおり、上級職になればなるほど若くして高額な年収を得られる可能性をつかめるということです。
もちろん、その逆もあり得ます。下級の役職は比較的年齢が横並びになりやすいですが、中級クラスの役職以上になれば年齢と役職の関係が逆転する、つまり年下の上司・年上の部下という構図も発生しやすいです。それに伴い、年収にも年齢との逆転現象が発生するため、それに嫌気がさしてリクルートを離れるというケースも少なくありません。
リクルート(総合職)の福利厚生
リクルートの採用ページによると、福利厚生として以下の内容が提示されています。
- 社保完備
- フレックスタイム制
- 成果主義対応給与制度
- 半期年俸制
- キャリア支援制度
- STEP休暇
- サンクス休暇
たとえば「STEP休暇」は、勤続年数に応じた日数の休暇を取得できる福利厚生の一種です。この制度を利用すれば最大で28日間の休暇を取得できるため、たとえばしっかりと休んでリフレッシュする使い方もあれば、資格取得や海外留学して見聞を広めるといった使い道もあります。
さらには、リクルートを退職して新しい環境にチャレンジしたい社員向けの「キャリア支援制度」という福利厚生もあります。リクルートは意外と若い世代での退職者も多く、新しい分野に挑戦するという姿勢を会社としてもプラスに考えているため、こうした制度が用意されています。
リクルートのワークライフバランス
リクルートは、過去のイメージとして「忙しい・ブラックだ」と評価する方も多かったのですが、今はそんなことは全くありません。実際にリクルートで働いている社員のをヒアリングしてみると、他の大手企業と大差ないかむしろホワイトといえる水準です。
「自分らしく働く」をサポートするため、特にライフワークバランスを重視し、リモートワークも推奨しており働きやすい環境となっています。育児・介護との両立にも力を入れており、男性の育児休暇はもちろん、育児や介護に関する相談窓口も設けています。
【新井の一言】
リクルートはワークライフバランスがとりやすい企業です。リモートワークを推奨しており、週休3日に近くなっています。しかし、働く時間が限られるので、限られた時間で成果を出さなければならない、という厳しい面もあります。
リクルートの教育&制度
リクルートは、サステナビリティに関する5つの重点テーマの1つとして「働き方の進化」を挙げています。リクルートグループでは、「価値の源泉は人」と考えており、社員に対するベースとなる考え方は「一人ひとりが成長を続ける」ことです。成長する機会を提供することが人材マネジメントの役割であると定義し、業務や自己啓発研修を通じて社員一人ひとりが成長する機会を提供することにコミットするとしています。
リクルートでは、その価値観を「6つのスキル・4つのスタンス」として整理しています。ここでは、その中の数個をピックアップして解説し、リクルートがいかに社員教育に力を入れているのかについて紐解いてみることにします。
WCMシート
リクルートの社員は、半期に一度「WCMシート」を記入します。これは社員が実現したいこと(Will)・活かしたい強みや克服したい課題(Can)・能力開発につながるミッション(Must)の項目からなる目標管理シートであり、社員は明確にした目標のために何ができるかを上長とすりあわせられます。
人材開発委員会
「人材開発委員会」は、上記のWCMシートの「Can」にまとめられた、社員の強み・課題に対してどのような仕事内容やポストが適切かを検討する場として設けられます。組織の全マネージャー・部長で議論することが特徴で、中長期的な視点でグループや部を越えた組織横断での任用や配置およびミッション設定を検討しています。
選択型研修プログラム
リクルートでは、社員が「自分自身の力で成長を実現していく」ことを支援するために「選択型研修プログラム」を実施しています。これは、社員の能力開発やスキルの向上に必要なプログラムを含み、ロジカルシンキング・マーケティング・アカウンティング・リーダーシップなどの講座に、社員が任意で申し込めます。
GLOBA(Global Business Academy)
「GLOBA」は、世界の潮流・ナレッジや、世界で活躍する人のスキル・スタンスなど、仕事に取り入れたい知見を学べる社内向けセミナーです。世界の有名ビジネススクールの教授や、シリコンバレーで活躍する投資家など、世界中のグローバルプレイヤーからさまざまな知見を吸収できます。
メディアの学校
リクルートでは、雑誌やWebサイトの企画・編集を担当するメディアプロデュース職およびITエンジニア職を対象として「メディアの学校」を開催しています。これは、メディアづくりに必要な基礎知識から新たな技術・発想の広げ方を学ぶことができる場であり、新たなムーブメントを起こしてきた社内事例の共有の場としても機能しています。
リクルートの社風(カルチャー)
リクルートが持つ「社風」は、これからリクルートへの転職を検討されている方にとって重要なトピックです。社風が合わなければ、待遇などの面で優遇されているとしても、長く勤め続けることが難しくなります。
リクルートの現社員や、元社員の話を聞いてみると、さまざまな社風・企業文化に関する意見を聞くことができました。その中でも特に、リクルートが持つ社風として知っておくべき内容は「当事者意識が強い」ことです。
リクルートでは、上司に対して何か質問した場合「お前はどうしたい?」「お前はどうしたら良いと思う?」というような内容が、ほぼ確実に返ってくるそうです。つまりこの会話では、上司から特定のアクションを命じられるのではなく、質問した社員が自分で考えて最適な行動を決めるというやりとりが行われます。
これこそが、リクルートが重要な価値観として社内で共有されている「当事者意識」です。
社員は、言われるがままに行動するのではなく、自身が当事者の1人として活動するという意識をもって仕事をこなします。これは、前述の「不の解消」のために重要であると考えられています。当事者意識を強くもって仕事にあたることにより、社員個人の能力を引き出せるだけではなく、相手の立場に立った想像力、主体性を合わせて結果をもたらすことが可能です。
また、リクルートはそのカルチャーとして「社員の卒業(退職すること)をプラスに考えている」という点も重要です。リクルートは創業者の考え方「社員皆経営者主義」を汲んでおり、自社の社員が独立のためにリクルートを離れることをむしろ推奨しているという企業文化を醸成する結果となりました。
その具体的な内容として、社員が自ら研修内容を決められる「選択型研修プログラム」や、勤続年数が短い社員であっても破格の退職金を用意する「キャリア支援制度」といった制度を採用しています。
こうした社風は、従来の企業文化としては破格であったり型破りといった評価をされることもあるでしょう。しかし、当事者意識が強く、積極的な成長と独立のための支援を受けたいという求職者にとって、リクルートの社風はよくマッチするのではないかと考えられます。
【新井の一言】
リクルートの評価は完全なる成果主義です。課長になってから、僅か1年で部長になることもあります。実力があれば、昇進するまでに時間はかかりません。
リクルートのクライアント
リクルートは、全国さまざまな企業が求人や宣伝などの目的のために契約しています。リクルートのサービス内容から、ありとあらゆる企業、日本を代表する長大企業から、中小零細企業、小さな店舗までさまざまなクライアントとの取引があります。サービスによってクライアント先は全く異なりますが、たとえば「リクルートエージェント」というサービスを見てみましょう。
2022年3月31日時点での、リクルートエージェントの公開求人は176,833件、非公開求人だと227,946件にも上ります。つまり、これだけ多くの求人が数多くのクライアント企業から掲載依頼されているということであり、特定の業種に絞っても数多くの企業がラインナップされていることがわかります。
転職希望の立場でこれを見てみると「さまざまな業種、さまざまな事情を抱えたクライアント企業とやり取りする必要がある」ことになります。企業ごとに社風や経営理念、実現したいことや重要視していることは大きく異なるでしょう。
つまり、相手企業に合わせて最適なコミュニケーションを行わなければ、クライアント企業が実現したい目的のサポートのために必要なことを聞き出すのに時間がかかってしまい、クライアント企業の大切な時間を無駄に使い、間違った目的・ゴールのために手間をかけてしまうリスクがあります。
そのため、コミュニケーションスキルが必要なことはもちろん、臨機応変に行動できる柔軟性を持ち合わせることも重要です。リクルートで働くことを考えるのであれば、さまざまな企業と円滑で最適なコミュニケーションをとれる自信を身に着けて、応募することをおすすめします。
リクルートの新規事業展開
リクルートは大きく分けただけでも16種類の事業を展開していますが、今後もさまざまな新事業を展開していくことが予想されます。リクルートの新事業として海外展開への注力も無視できないトピックではありますが、本記事では「Ring」という制度に注目します。
Ringとは
リクルートの制度の1つ「Ring」とは、リクルートグループ会社の社員を対象にして実施されている、新規事業の提案制度のことです。リクルートグループの従業であれば誰でも自由に参加でき、提案する新規事業のテーマはリクルートの既存領域に限らずありとあらゆる領域を対象として事業内容を考案できます。
何を隠そう、知名度の高いサービスである「ゼクシィ」や「カーセンサー」といったサービスも、このRing(1982年に「RING」としてスタートし、1990年「New RING」と改定、そして2018年「Ring」にリニューアル)を通じて誕生し、今では市場規模を拡大して誰もが知る大手サービスに成長しました。
リクルートにとってRingという制度は「新しい価値の創造」というグループ経営理念を体現する場であり、社員は自分の意思でリクルートの新規事業を提案・実現できる機会でもあります。
Ringで新事業が誕生するまでの流れ
Ringでは、リクルート全社員が対象となりエントリーでき、新規事業の内容についてまとめた提案書を提出します。募集テーマごとに審査基準を設けて書類審査を行い(一次審査)、提案内容に対してブラッシュアップが行われます。その後は二次審査を経て最終審査へ、最終審査では社長や役員を交えた公開プレゼンが実施されてグランプリが決められます。
Ringの最終審査を通過した案件については、事業化を検討する権利を得て事業開発が勧められます。さまざまな事業開発の手法がありますが、担当事業会社内で予算・体制を構築したり、領域をまたぐ案件の場合は横断組織を発足させて事業化の検討を継続します。
全く新しい領域での事業開発チャレンジにおいては、段階的に予算やリソース・サポートをコントロールしてテストマーケティングを行う「スケージゲート方式」を採用しています。
こうして、一社員の立場で提案した内容が、ゆくゆくは大事業・大手サービスへと成長し、誰もが知る有名サービスとなってリクルートの歴史に名を残すこともあるでしょう。場合によってはリクルートの歴史において重要な存在になる可能性もありますし、あるいは事業分割して個別の企業としてリクルートグループの歴史に名を連ねることになるかもしれません。
リクルート転職者の本音
次に、リクルートに転職した人が、リクルートに転職したことで感じた「本音」をいくつか紹介します。
・年功序列の社風ではないので、年齢関わらずフラットなコミュニケーションが可能であるという点が大きな魅力だと感じました。将来的には年齢関係なく上司部下の関係になることを考えると、なるべく早いタイミングで昇進できるように頑張りたいと思います。
・「自分で成長したい」を強く思える人にとっては、リクルートの社風と相性がいいと思います。なので、自己成長の欲求が弱い方や、言われたことだけやればいいやと思う方とは合わない気がします、とても。
・よく言えば「完全実力主義で若くても出世できる」という社風ですが、人によっては「成果以外の大切なものを蔑ろにしないといけない」と考えることもあるかもしれません。割り切れない人は、リクルートへの就職は考え直した方がいいかも…
・社内のコミュニケーションは良いと思います。言いたいことを言える雰囲気なので、我慢せずに必要なことは言っていきたいと思います。事業採用制度(Ring)にも興味があります。
・出世欲というか、成長意欲というか、そうした意識の高い人が周りに多い。働いていてやりがいを感じられるし、悪い気分はしない。正社員と契約社員、派遣社員の間の差もほとんど感じることはない。むしろ誰が正社員で誰が契約社員なのか、わからない。
やはり、リクルートの社風との相性について言及している意見が多いです。多くの方はしっかりと企業研究されているので、その点でミスマッチを感じている人はいないようです。そもそもミスマッチするような人は、面接で通らない、という言い方もできます。
コミュニケーションの点においても「フラットな意見交換」ができることを高く評価している意見が多く見られました。こうした点を考慮して、リクルートへの就職の是非を考えると良いでしょう。
【新井の一言】
課長には早くて転職後3年、30代でなる場合が多い。しかし、昇格できるのは全員ではなく、周りのレベルが極めて高い社員分主役になりづらいという面もあります。
リクルート転職までの流れ
リクルートでは、最終的な採用ハードルは極めて高いのですが、意外と書類審査のハードルは高くありません。つまり、リクルートは単に学歴や職歴だけで人材を判断するのではなく、『人物』そのもののポテンシャルを見極めて採用しようとしていることが分かります。
言い換えると、リクルートの採用プロセスでは「面接が重視される」ということです。面接で聞かれる内容はケースバイケースですが、一般的な企業と同じように「理念などを共有できるか」といったことだけでなく、リクルートが大切にする価値観である「当事者意識を強く持てるか」といった点も見られるでしょう。
また、面接では「返答内容の根拠」が問われる可能性が高いことを念頭に置いてください。つまり、面接でウソの内容を答えてしまうと、根拠の説明ができないのでウソがばれてしまい、面接に通らないリスクを高めます。返答内容はご自身の経験やバックボーンに由来したものを正直に答えて、根拠の説明において矛盾やほころびが生じないように対策しておきましょう。
【新井の一言】
リクルートへ転職する場合は、仕事へのスタンス、姿勢が重視されます。スキルが高くても、仕事に向きあうスタンスがリクルートにマッチしない場合は不採用となります。30歳前半くらいまでであれば、スキルが低くても仕事に向き合う姿勢が評価されれば内定出るケースもあります。また、リクルートにマッチする人は、結果的に高学歴、有名企業からの転職者が多いですが、専門卒の優秀な方も入社しています。優秀であれば「学歴は不問」、という言い方もできます。
リクルート転職へのコツ
リクルートへの転職には「転職エージェント」のような転職のサポートに特化しているサービスを利用することをおすすめします。理由は、リクルートの中途採用の難易度が、一般的な企業よりも高いとされているからです。
前述のとおり、リクルートは人材を採用するにあたって「面接を重視する」という特徴があります。面接では、社風との相性や求める人材であるかどうかといった点を、深堀する質問によって見極めます。企業研究においてリクルートが掲げる目標や価値観などを把握したら、自己分析によりそれらと自分との相性・親和性を分析し、面接対策を万全に整えることが重要です。
こうした自己分析・面接対策は、専門家の力を借りなくても不可能ではありません。ですが、転職の専門家の助力を得た方が、最適な面接対策を整えることができ、リクルートの採用プロセスに最適化した状態で立ち向かうことができます。とくに、新卒採用ではなく転職という道を選ぶのであれば、難易度の高いこの採用ハードルをクリアするためにぜひ、コープラスに相談してみてください。
今リクルートに転職すべき理由
今、リクルートへの転職を考えている方は、その決断のためのもう一押しが必要なのではないでしょうか。リクルートへの転職をおすすめする理由は、以下の3つが挙げられます。
自己実現の場として環境が整っている
リクルートは「自己実現できる場所」として、転職の満足度が高いことがおすすめポイントです。
リクルートでは、当事者意識の強い人材が求められています。Ringのような制度からもわかるように、リクルートでは上からの命令を押し付けられるのではなく、自ら率先して企業の利益や社会貢献のための最善を尽くせる環境・社風が整っています。
また、リクルートでは社員自らが積極的に、望む形で成長できるようにさまざまな人材育成の制度を整えています。このように、リクルートは社員が自己実現できる環境・条件を整えているため、社員としての活動の中で事故を抑圧されることなく自己実現を果たしたい方におすすめです。
収入や待遇面で満足感が強い
リクルートは「収入などの待遇が高い満足度になる」として、転職の満足度が高いことがおすすめポイントです。
リクルートは実力次第・ミッションの達成率によってその報酬が大きくアップする可能性があります。リクルートが提示するミッションを高い水準でクリアできる実力があれば、30歳を迎える前の段階でも1,000万円を超える年収が得られる可能性もあります。
また、福利厚生の面でも優れており、社員は働きやすい環境で実力をいかんなく発揮して仕事に向き合うことができます。このように、待遇面での満足度が高いリクルートであれば、金銭面や待遇面で安心して働くことができるため、とくに前職において待遇面で不満を感じていた場合は大きなメリットになるでしょう。
起業・独立を念頭に置いても採用してもらえる
リクルートは「将来的に独立することが念頭にあったとしても採用してもらえる」として、転職の満足度が高いことがおすすめポイントです。
リクルートでは、採用後数年で起業し、独立することを念頭に置いて入社する場合でも、実力が伴っていれば問題なく採用してもらえるケースも多くみられます。この点は創業者が掲げていた理念の1つが関わっており、リクルートは会社全体として自社の社員の独立をプラスのイメージで迎えてくれます。
リクルートでの就業環境は、社員の成長を強く促すものでもあります。リクルートでの経験を生かして自ら事業を立ち上げて独立する、言い方は悪いですが「足場」としてリクルートを利用するキャリアプランを組み立てる場合においても、実力や条件が整えば問題なくリクルートを離れ、一国一城の主として再スタートをきることができるでしょう。
【新井の一言】
リクルートでは年齢が上がれば求めるものも高くなります。そのため、転職する1歳でも1日でも早く決断して、応募したほうが良いでしょう。
リクルートに転職するならコープラスから応募すべき理由
リクルートに転職するのであれば「コープラス」から応募することをおすすめします。コープラスと転職活動を進める場合、さまざまなメリットがあります。最大の理由として挙げられるのは「中長期で見たキャリアの組み立ての提案ができる」ことです。
リクルートで働くにあたって、さまざまな目的・思惑をもってして入社することになるでしょう。たとえば、短期間で出世して責任ある立場で活躍したい方もいれば、数年で独立してリクルートを離れるというビジョンを持っている方もいると思います。
こうしたキャリアプランは、短期的に考えるのではなく、中長期的なプランの組み立てが重要です。なぜなら、キャリアプランを中長期的に、かつ緻密に計画していれば、そのキャリアプランの実現のために必要なことが、最初から理解できた状態で転職活動に臨めるからです。
キャリアプランを組み立てるにあたって、ご自身1人の力だけでは問題が生じる可能性が低くありません。キャリアプランの組み立てには、客観的な視点と、キャリアプラン計画の経験により得られるノウハウの存在が重要です。
コ―プラスに依頼すれば、リクルートへの転職までの道筋だけでなく、入社後のキャリアプランについて、最適なアドバイスを提供できます。転職は人生の一大イベント、後悔する結果にならないためにも、コープラスのサポートによって中長期的視点でのキャリアプランを組み立て、リクルートへの転職を実現してください。
まとめ
本記事では、リクルートへの転職を考えている方にとって役に立つ、リクルートの価値観や企業情報について解説しました。リクルートへの転職は相応の難易度になりますが、リクルートと価値観を共有できる方であれば面接で見抜いてもらうことができ、リクルートへの転職を成功させられるでしょう。
リクルートが求める人材であるかの自己分析には、入念な企業研究だけでなく、第三者の専門的な視点によって転職の相性を考える必要があります。コープラスは、そのお手伝いができます。リクルートへの転職成功率を少しでも高め、転職後のキャリアプランについても念入りに計画したい方は、実績豊富なコープラスまでご相談ください。
【新井の一言】
リクルートは今までは30歳を超えると、求めるものが高すぎて入りづらかったですが、最近は今まで以上に間口を広げている感があります。年齢が上がれば求めるものが高くなるのでリクルートに転職するのであれば一年でも、一カ月でも早く転職したほうが良いでしょう。自身がリクルートに合っているか、求めている基準に達しているか知りたい方はぜひご相談ください。
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