SPIはリクルートマネジメントソリューションズが提供している適性検査で、リクルートグループの選考で導入されています。初期バージョンがSPIで、その後、改善・変更が行われバージョンアップされて、2013年以降はSPI3が導入されています。
SPI受験のタイミングは、リクルートグループ各社で異なります。書類選考時や一次面接通過時のケースが多いです。その結果は選考に左右しますので対策は必要です。スキル面・人物面で優れている方でも、SPIで落とされるケースがあります。
リクルートの選考を受ける際には、SPIの勉強も必須になってきており、最近では、リクルートグループ以外の大手企業でもSPIを導入しているところは多いです。大手企業への転職を考えている方も参考にしていただければと思います。
SPIの内容と対策方法について
SPIの内容は大きく分けて下記2つになります。
性格検査
能力検査
勉強が必要なのは、能力検査になりますが、性格検査もどういった問題が出るのかは理解しておきましょう。
性格検査の内容と対策方法
性格検査は、候補者の人となりを質問によって、分析・測定するものです。
日ごろの行動や考え方などについて問われ、面接では見抜くことのできないパーソナリティの部分を把握しようとしています。
性格検査では、
【行動特性】
考えることや運動することの好き嫌い、内向的or外交的、持続的に物事に取り組めるかどうかです。
【意欲】
目標に取り組む姿勢や物事に対する意欲を確認します。
【情緒】
自分の感情をコントロールできるかどうかです。
上記の内容を踏まえて、性格を確認してきます。
下記で各項目ごとの出題例を説明していますので、参考程度に確認ください。
質問に対する回答の種類は、
- 「YES or NO」や「Aに近い or Bに近い」の2択
- 「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」「どちらかといえばあてあまらない」「あてはまらない」の4択
の2つのパターンがあります。
性格検査の内容を基に、企業は自社の仕事に向いている性格かどうかを判断します。企業毎に求められる性格は異なり、同じ結果でも、大手A社は受かったのにB社ではお見送りになることもあります。
性格検査の対策としては、その企業が求めている人物像を理解しておくことです。
リクルートグループで求められている人物像に関しては下記記事を参考にしてください。
行動特性に関する出題例
質問A:何か欲しいものを買うとき、その用途や今後の必要性を考えて購入する。
質問B:何か欲しいものを買うときは、後先考えずに購入する。
質問Aは考えることが好きな方が選び、運動するほうが好きな方は質問Bを選びます。
どちらが正解というのはありませんが、質問Aを選んでおくほうが無難でしょう。
質問Bを選ぶ方は、体育会系のように営業色の強い企業に求められがちです。
意欲に関する出題例
質問1:やりたいこと・達成したいことに対して、ある程度の犠牲は必要だと思う。
質問2:友達が多く、交流関係は広い方だ。
意欲に関しては、「あてはまる」「あてはまらない」といったもので答えるものが多く、質問1では、目標達成に対する意欲をはかっています。
また質問2は、交流関係を深めることに対する意欲をはかっています。
また、行動特性・意欲に対する質問で、外交的・内向的のどちらに当てはまるかも、判断できるようになっています。
情緒に関する出題例
質問1:感情が表情に出てきてしまうことがある。
質問2:焦ってミスすることが多い。
情緒は感情をコントロールできているかを判断する分野です。
感情は表情に出なくても、行動に出ることが多いため、感情に関する質問でなさそうでも、真意は情緒に関することがあります。
性格検査の注意点
- 自分を良く見せようとしない
- 質問に対して正直に答える
- 企業の求める人物像を把握しておく
- 回答に時間をかけない
- 一貫性を持って答える
性格検査は約300問出題されて、30~40分の所要時間となっています。また、正確な検査をするために、選考としては全て答えることが前提となっています。問題としても、深く考えずに時間内に全て答えられるようになっています。
また、違う問題でも同じ意図で質問していることがあり、自分を良く見せようとし過ぎて、答えていると、検査によって嘘だと見抜かれてしまいます。性格検査を受ける前に、企業と自己の分析を行っておきましょう。
能力検査の内容と対策方法
能力検査では、言語・非言語・英語力 に関する問題が出されます。
一般教養についてとなっており、大学の良し悪しで左右されることはなく、社会人として知っておくべき問題となっています。
基本的には、高校卒業までに習う内容が大半となっています。言語に関しても、特別難しい漢字が出るわけでもなく、非言語に関しても難しい計算式を使うものはありません。
また英語力に関しても、高度な文法問題や長文読解ではなく、単語の意味に関する問題が多いです。
就職後に新聞やニュースに目を通さなかった方にとっては難問になる可能性が高いので、能力検査を受ける前に、どれくらいのレベルの問題なのか確認しておきましょう。
言語に関する出題例
【二語の関係性】
2つの漢字の関係に関する問題です。
問題:「動物:犬」と同じ関係性を持つものを選べ。
ア惑星:火星
イ医者:手術
ウ作家:執筆
エ類似:相違
この質問に関する答えは「ア」となります。「動物:犬」は動物の中に含まれているのが犬となるため、アも同様に、惑星の中に含まれているものが火星になります。
【語句の意味】
新聞で使われている単語が多く出題され、その意味をしっかり理解しているかを問われます。
左遷や勇退、更迭などといった、会社で使われることのある言葉は、出題される可能性が高い傾向です。
【語句の用法】
複数の意味を持つ、名詞・動詞・助詞に対して、使い方として最も正しいものを選ぶ問題です。
例えば、同じ「とる」でも、取る・撮る・採る・捕るなどと、色んな意味があり、使われ方はそれぞれです。
- 取る→持つ
- 撮る→撮影する
- 採る→ある部分だけを選びとる
- 捕る→手を当てて捕まえること
この3項目が問題として多い傾向にあります。また他にも「文の並び替え」や「空欄補充」、「熟語」といった問題があります。
非言語に関する問題について
【推論】
情報から正しいと思われる事柄を答えます。計算式ではなく、情報から正しいことを読み取り理解する能力が必要とされます。
問題として、物事の順位や発言の正誤、平均・比率などといった問題が出される傾向にあります。
こういった問題は、文章で書かれていることを、図もしくは計算式に起こすことで解けます。
【場合の数・確率】
組み合わせや余事象、順列などと言われる問題で、高校の時に習った、P(パーミュテーション)・C(コンビネーション)を用いて解く問題です。Pは順列の問題の時に使い、Cは組み合わせの時に使う計算方法です。
-組み合わせの例題-
男性6人・女性4人の男女10人グループがあり、この中から掃除当番を男のみで4人選ぶ場合の組み合わせは何通りあるか?
答え:15通り
回答方法:男性6人の中から4人選ぶため、6C4となり、(6×5×4×3)/(1×2×3×4)となります。
-組み合わせの応用問題(確率)-
ボックスの中に、3個の赤玉と4個の青玉が入っています。この中から同時に2個の玉を取る際に、2つとも青玉になる確率は?
答え:2/7
回答方法:この場合、「4個の青玉から2つ選ぶ組み合わせ」から「7個から2個選ぶ際の組み合わせ」を割ることで答えが出ます。
計算式:4C2/7C2=2/7
【損益算】
原価・定価・売価に関する問題です。ここで理解しておくことは、
定価=原価×(1+利益の割合)
売価=定価×(1-割引率)
この関係性を理解しておくことが大切です。
【速度算】
速さ(は)・時間(じ)・距離(き)といった、「は・じ・き」の関係性に関する理解です。また問題では、1時間30分を1.5時間と変換できるかどうかの知識もポイントになってきます。
-英語力に関する出題例-
英語力をはかる問題として、同意語・反意語・英英辞典・空欄補充・長文読解 があります。
【同意語】
出題されている単語と同じ意味を持つ単語を選ぶ問題です。
例題:
「expensiveと同じ意味の持つ単語を選びなさい。」
A:high B:giant C:gorgeous D:costly
答え:D
【反意語】
先ほどの問題とは逆で、出題された単語と反対の意味を持つ単語を選びます。
例題:
「stupidと反対の意味を持つ単語を選びなさい。」
A:fool B: smart C: ignorant D: dumb
答え:B
【英英辞典】
英語の説明文があり、その分が説明している単語を選択します。
「a round white vegetable with a brown, red, or pale yellow skin, that grows under the ground」
A:tomato B: potato C: apple D:banana
答え:B
grows under the ground→土の中で育つもので野菜と言えば、Bのジャガイモになります。
【空欄補充】
英文が和文と正しくなるように穴抜け部分にふさわしい語句を選ぶ問題です。
例題:
「私はTVを持つことができます。→I am ( )to carry TV」
A: able B:used C: right D:mean
答え:A
be able to=can(~できる)となります。空欄補充の問題では、前後の単語と繋げることで成り立つ問題が多いです。そのため、「be〇〇to」や「be to 〇〇」などといった述語を覚えておきましょう。
【長文読解】
その名のとおり、長文を読んで、その後の問いを答えていく問題です。
能力検査の対策方法
能力検査では、言語・非言語・英語力と幅広く出題されるため、いきなり勉強しても、高得点を狙うのは難しいです。
特に言語・英語力については、勉強しても必ずその部分が出るとは限りません。
非言語を重点的に勉強しておくことをオススメします。
非言語で説明した、組み合わせ・順列・損益算・速度算は必ずといっていいほど出題されます。
私も選考が直近になる候補者には、非言語を勉強するようにアドバイスしています。
言語や英語力の問題を捨てろ、と言っているわけではありません。正直、この2つの問題に関しては、いきなり勉強しても高得点を狙えるものではありません。
リクルートグループでは適性検査と面接結果を総合的に評価
リクルートの選考では、適性検査と面接の結果を総合的に評価しています。適性検査が上手くいかなくても、面接で挽回することは十分にできます。そのため、私はリクルートグループの選考を受ける方に対して、面接対策をしっかり行っています。
冒頭でも述べましたが、SPIは多くの大手企業でも導入されております。SPIの勉強をしておくことは、リクルートグループ以外の企業の選考を受けるときにも大切です。
もし、適性検査について不安に思われている方がいましたら、相談ベースでも良いので、ご連絡ください。私経由でSPIを受ける方には優先的に勉強の参考となるURLをお送りさせて頂きます。
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