退職する際に知っておくべきこと
キャリアコンサルタントとして、転職支援を行っていると、上手く退職する方法についてよく聞かれます。スムーズに転職活動を進めるためには、退職交渉の進め方やタイミングについて理解しておく必要があります。
私はこれまでに8000人以上の転職支援を行ってきており、現職の会社をスムーズに退職するためのアドバイスもしてきました。下記では今までの経験を元に退職交渉の進め方やタイミングについて詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
退職交渉の進め方・タイミングについて
【最重要】内定承諾後に退職交渉を開始する
まず、退職交渉は内定承諾後に進めていくことが大前提です。なかには、まだどこからも内定が出てない状況で、在職中の会社へ退職することを伝える方がいます。この進め方は絶対にオススメしません。納得できる企業から内定が出ない場合は、現職に留まるといった選択肢も想定すべきだからです。
内定承諾後に現職の会社へ退職することを伝えないと後戻りできなくなり、自分で自分の首を絞めてしまうことになるでしょう。転職の覚悟としては良いのですが、実際のところ、現職に留まることも想定しながら転職活動を進めたほうが、余裕を持つことができます。
内定承諾後すぐに直属の上司にアポ取り
希望の会社から内定が出たら、内定承諾後すぐに退職交渉を開始します。その第一優先事項としては、直属の上司へのアポ取りになります。このアポ取りを退職予定日の1~3ヶ月前などに行うと言っている方もいますが、退職交渉のタイミングはなるべく早めが良いです。
もちろん例外もあり、内定承諾後から入社日まで6ヶ月以上空く場合は、退職したい日の2~3ヶ月前までに伝える必要があるため、その時期に直属の上司へのアポ取りをしていきます。
上司のタイプにもよりますが、退職の話を切り出したタイミングで豹変する方もいます。最悪な状況だと、内定承諾した会社の入社日が何カ月も先なのに、「今月中に辞めろ!!」なんて言われる可能性もあります。
こういった状況を回避するためにも、内定承諾後すぐに伝えるときもあれば、転職先への入社予定日によって、アポ取りのタイミングを考えないといけません。
退職理由は自己都合かつ前向きな理由
転居・結婚・介護・病気療養と同様に、転職する方のほとんどは自己都合での退職になります。一方的に労働契約を解除される場合以外で会社都合になることは、ほぼありません。
また退職理由については、現職での不平・不満を述べるのではなく、
- 転職先の会社でしたいこと
- 専門的な分野でのスキルアップ
- キャリアチェンジ
- 事業会社でビジネス検討フェーズから携わりたい
などといった点を伝えます。年収や業務、職場環境に関することを伝えることはNGです。そういったことを伝えると、「なら、改善するから残ってくれ」と引き留めにあうからです。
仮に現職で年収アップが可能になったとしても、一度退職する旨を伝えた方を継続的に評価する会社は少ないでしょう。いつまた辞めると言ってくるかも分からない方に重要な仕事などを任せづらいですよね。
『退職願』の作成・提出
退職する際、必ず退職願が必要というわけではありません。会社によっては、口頭のみで受理されることもあります。会社規則や慣習にもよりますが、実際のところ退職願を出して、文書として残しておくほうが確実です。
よく「退職願」と「退職届」を勘違いする方がいますが、大きな違いは『自分の意思で退職することを撤回できるかどうか』です。退職届の場合、一方的な通告になるので、自分の意思で撤回することはできません。受理された時点で退職することが決定する書類のため、「退職願」を出して退職の意思を伝えることが一般的です。
退職願の作成方法は、会社毎にフォーマットがあれば、それに準じて記入していくことになります。なければ、ネットで「退職願 テンプレート」と調べると、フォーマットが出てくるので、それを利用したほうが便利です。
退職願の作成形式は決まっていないので、手書き・パソコンのどちらでも問題ありません。ただ、本人が記載した証明として、日付・部署名・名前を自筆にして捺印するようにしましょう。
出向中だった場合の退職交渉について
まず先に、出向元の会社に退職の意思を伝えます。出向元から職場が近い場合は、直属の上司にアポを取り、就業後に会って、まずは口頭で伝えましょう。もし、どうしてもアポが取りづらい場合は、電話で話せる時間を頂くようにしましょう。最悪の場合、電話で退職の意思を伝えることもあります。
その後、出向先と出向元に相談・報告しながら退職の手続きを進めていきます。特に出向元が出向先に自分が退職することを伝えたかどうかも確認しておく必要があります。
円満に退社するためには、出向元の指示を待つ必要があります。出向元の対応が遅い場合は、自分から催促することも必要になります。
引き留められた時の対処方法
ほとんどの方が現職から引き留めにあうでしょう。IT系企業はどこも人材不足です。辞められると非常に困りますね。ただし、優柔不断にならず、「転職先が決まったことと共に内定承諾したこと」を伝えましょう。
特にSIer出身者の場合、現職に留まっても、転職しないと実現できないことが多数あります。
- 「キミは会社に必要な存在なんだ」
- 「給料を上げるから」
- 「後任が見つかるまで待ってほしい」
- 「もう少し考え直しくれないか」
- 「必要であれば、望む業務にアサインしよう」
などいった言葉で無理矢理にでも引き留めてくるかもしれません。その方法は様々で、良心に訴える場合や未来を期待させること、年収アップなどです。
ですが、どの引き留め言葉に対しても、口頭上のものが多く、必ず約束されているものではありません。引き留められると一時的に、「現職の会社に留まったほうが良いのかな・・・」と思いがちですが、まずは自分が転職を決意した理由について振り返ってみてください。
現職以上の求人企業を自信持ってご提案いたします
私が転職支援してきた9割以上の方が、転職先に満足し、その後も活躍されております。SIer出身者の方だと、現職の会社から引き留めにあい、退職交渉が難航することがあります。そういった点も想定して、現職以上のオススメ求人企業をご提案しています。
面談させて頂く方には、求人企業の人事以上の情報を細かく共有させていただき、、納得のいく転職活動を行っていただけるように心掛けています。そのため、内定承諾後に辞退されることは、ここ10年で数人程度となっております。
また、面談して希望条件を聞いた上で、現職の会社に留まることを勧めた方も多く、その方にとってベストな選択肢をご提案しております。
もしSIer出身者で転職をお考えの方がいましたら、相談ベースでも良いので、ご連絡いただければ幸いです。
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