自由な働き方として、フリーランスが日本でも広がってきています。
フリーライターやwebデザイナー、コンサルタントなどと、職種は様々です。システムエンジニアでフリーランスとして働いている方も少なくありません。
日本の労働人口の6分の1にあたる、約1000万人の方がフリーランスとして働いています。
企業に所属しながら副業として働いている方も含まれており、専業の方は、約300万人くらいです。
時間・場所の自由がきくフリーランスはとても魅力的だと思います。
ですが、キャリアコンサルタントとしての立場から言うと、フリーランスとして働くことはオススメできません。
オススメしない理由について、下記で説明していこうと思います。
※参照元:厚生労働省「フリーランス白書」
システムエンジニアとして専業フリーランスをオススメしない理由について
フリーランスとして働くことはアメリカでは一般的なことで、「フリーランス白書」によると、2027年にはフリーランス人口が労働人口の過半数になると記載されています。
日本でもNTTデータやSCSK、富士通など、大手企業が従業員の副業を解禁してから、副業フリーランスは増えております。
フリーランスを副業で止まるのであれば、スキルアップに繋がり、自分だけでなく企業にとってもプラス要素しかありません。
副業を解禁した企業としても、従業員のスキルアップ向上を図っています。
しかし、最近では副業だけでは止まらず、独立してフリーランスを専業にする方も増えています。
専業フリーランスとして働くことの最大のメリットは「自由」です。全てが自由であることは魅力的ですが、その反面、「リスク」と常に隣り合わせであることを理解していただければと思います。
収入が安定しない
専業フリーランスで働くことで、「年収がアップした」という方が多い反面、「収入が不安定」と悩んでいる方が、フリーランスが抱える悩みランキングで 第一位 となっています。
※参照元:ランサーズ「フリーランス実態調査」
専業フリーランスはクライアント先から業務委託契約書により、案件を受託します。
この契約書の有効期限は、短ければ1ヶ月、長いものであれば3ヶ月毎に更新となります。派遣社員の契約と同じです。
仕事のパフォーマンス次第で契約を切られます。クライアント先の一存で契約が終了になるケースもあります。
スキルアップが望めない
今あるスキルだけで案件を受注するため、スキル以上の仕事を望まれることはありません。
また、わからない仕事を新たに教えてくれる方もいません。
毎回、行う仕事は同じレベルのものばかりです。
中には、隙間時間を利用して、スキルアップする方もいますが、そのスキルを活かして案件を受注して仕事をするにはリスクが高いです。
またチームとして働くことがないため、システムエンジニアとして重要なマネジメント力が衰えてきます。
大事な会議や決め事には参加できない
フリーランスは業務委託先で働きます。クライアントにとっては社外の人という扱いになります。
そのため、社内で行われる大事な会議などには参加することはできません。
新しいシステムの導入や開発について、ビジネス検討フェーズから携わることも少ないでしょう。
SIerの方が出向先で感じる部外者感をより一層感じることになるでしょう。
また在宅フリーランスの中には、インターネットを介して仕事だけが振られて、孤独に感じていることを悩む方も多いです。
エンジニアとしてのスキルより営業力が重要
初めて専業フリーランスとして働く際は、フリーランスの登録サイトを介して仕事を振られることはあります。
しかし、その先、高収入で受注額の大きい案件を貰うためには、自分を売り込む営業力が必要になってきます。
サイトを介して仕事を依頼されても、仲介手数料がサイトを運営する企業にクライアント先から支払われています。
高収入を得るためには、仲介会社を通さずして、案件を貰う能力が必要です。
専業フリーランスとして独立する方の多くは、以前働いていた企業でのクライアント先を、そのままスライドさせて、現クライアント先として、仕事を受注しているケースがあります。
よって、企業に勤めている頃からエンジニアとしてのスキル以上に、自分を売り込む営業力が備わっていることが大切なのです。
一般企業に戻るのは困難
直近3〜5年以上、専業フリーランスとして働いていて、一般企業に戻ろうとすると、給与のミスマッチで、ほとんどの企業が受け入れてくれなくなります。
フリーランスとして働くことでリスクと引き換えに、年収がアップするのは確かです。
同じ仕事内容でも、一般企業で働く方とフリーランスとでは、年収に100万円以上の差が出ていることもあります。
フリーランスとして働いているときの年収を転職する際に求めてしまうと、ほぼ年収ダウンを提示されます。
多くのフリーランスの方が、スキルに見合わない高年収を得ているからです。
福利厚生が全くない
フリーランスには、有給休暇・退職金・交通費・残業代など、福利厚生は全くありません。
また、仕事の納期があるため、間に合わないようになると、休みもなくなる可能性もゼロではありません。
また企業に勤めていたときは社会保険により、保険料の自己負担額が抑えられていたものの、フリーランスになることで、自己負担額が増えます。
フリーランスのように自由に働ける企業はあります
働き方として、「働き方は不自由だけど安定した正社員」・「働き方は自由だけど不安定なフリーランス」と例えられています。
どちらにも、メリット・デメリットがありますが、天秤にかけたとき、フリーランスとして働くのは未だデメリットが大きいように感じます。
アメリカでフリーランスが増えている背景には、能力だけを重視した社風が、企業に浸透しているからだと思います。
そのため、転職市場でも転職回数が多くても、高い能力の方であれば、就職できてしまうのも、アメリカ特有です。
日本には日本特有の社風があり、従業員を安定的に雇用するように、様々な働き方改革が進められています。
冒頭でも述べましたが、大手企業の副業解禁も働き方改革の1つです。
他にも、フレックスタイム制やリモートワーク、裁量労働制などと、企業に勤めていても自由に働けるように考慮された制度が広がってきています。
私がお勧めしているリクルートテクノロジーズを含めたリクルートグループなどでは、様々な働き方が推進されており、さらに事業会社の中でも年収はトップクラスです。
もし現在、システムエンジニアでフリーランスとして自由に働きたいと思っている方は、相談ください。
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