これまで何度も転職活動で失敗した方からの転職相談を受けてきました。
転職活動で失敗する方にありがちなのが、
自己応募で転職活動をしている
紹介実績が少ない、または、経験不足の人材紹介会社経由で転職活動を進める
といった理由が考えられます。
この2つの理由によって、後ほど説明する「失敗する転職先」に転職しがちです。
どちらも共通していることは、求人企業の情報不足 が原因となってきます。
SIerからの転職で失敗した方の転職先について
「SIer」と一言でいっても、一次請け・二次請け・三次請けとあるため、下記では、全てに当てはまる失敗する事例(転職先)について説明していきます。転職市場において、SIer出身者の需要は高く、一度転職に失敗したくらいで、市場価値が一気に下がることはありません。ただし、転職回数が少ない方が理想なので、次の転職活動で失敗しないためにも、下記を参考にしてみてください。
プロジェクトが下流工程ばかりの下請けSIer に転職
一次請けSIerの多くは、新卒で入社した際、半年~1年程度かけて、下流工程の仕事に携わります。
以降、徐々に上流工程の仕事にアサインされます。IT業界のみならず、建築業界でも、下流工程よりも上流工程に携わる方を評価します。そのため、IT業界において上流工程に携われるSIerに転職しない限り、スキルやキャリアの向上は望めません。
もし、現職が二次請けや三次請けであれば、一次請けSIerに転職することをオススメします。
「二次請け出身者が一次請けSIerから需要なんてあるの?」と不安に感じると思いますが、一次請けSIerではシステムエンジニアが大幅に不足しています。そのため、新卒採用の時よりも、中途採用のほうが内定が出やすいです。大手企業の採用動向として、新卒採用よりも中途採用の人数を増やしているのが実態です。
プライム案件を扱えないSIerに転職
上記の内容に付随して、上流工程に携われていても、プライム案件を扱っていないSIerに転職することはオススメしません。
というのも、給与面やスキルアップを考えると、要件定義に多く携われる環境が必要です。
要件定義に携われるかどうかは扱っているプライム案件の規模や量に大きく左右されます。
プライム案件をコンシューマ向けからエンタープライズ領域まで、幅広く扱っているSIerこそ、スキルアップが望めます。
こういったSIerでは、その方のスキルに合わせて、案件にアサインします。また、優秀な方であれば、自ら望む案件にアサインされる可能性が高いです。
コンサルティング業務に携わることを求めてアクセンチュアへ転職
他の記事でもご紹介していますが、「SIer出身者」ということだけで、アクセンチュアからのオファーを受けがちです。
アクセンチュアは、SIer出身者を積極的に採用しており、提示されるオファー年収もIT業界の中でもトップクラスに高いです。
ただし、アクセンチュアで行っている業務の大半がSI業務になります。そのため、SIer出身者の多くはSI業務にアサインされる傾向があります。
コンサルティング業務にチャレンジしたいSIer出身者は転職先にアクセンチュアを選ばない方が多い
大幅な年収アップを求めて事業会社に転職
SIer出身者の多くは、全業界を見ても平均年収が高いのは事実ですが、SIerやコンサルティングファーム以外の転職先に大幅な年収アップを求めるのはオススメできません。リクルートテクノロジーズ含めたリクルートグループやファーストリテイリング、DeNAなどの大手事業会社であれば話は別ですが、中小企業になってくると、高確率で現年収よりも低い年収を提示されるでしょう。
事業会社では、要件定義だけでなくビジネス検討フェーズからシステム開発に携わることが可能です。
SIerでは携われない領域です。そのため、年収を下げてでも事業会社へ転職している方が多いです。
SIerからの転職で失敗する人の特徴・理由
転職先以外で転職先に求めるものによって、失敗する方も多いです。
私は候補者とお会いするときに、その方の転職軸について細かくヒアリングしています。
- 将来的なビジョン
- 転職先に望むもの
- やりたいこと
- 希望年収 etc
上記について細かくヒアリングさせていただきます。
全ての条件を満たすような企業が見つかればベストですが、正直難しいのが現状です。候補者には転職先に一番望むものを明確にしていただきます。
一方、下記に当てはまる方には、転職先選びで失敗しないために、面談で方向修正しています。
フリーランスとして働くために起業
IT業界ではシステムエンジニア不足が加速していることで、フリーランスの需要も高くなってきます。
自由、且つ高年収なフリーランスを魅力的に感じる方も多いです。ただし、実際は案件が受注できるかどうかは不安定です。フリーランスになったものの、失敗して再度、正社員として転職しようとしても難しい場合もあります。
フリーランス時代との年収差もそうですが、日本企業の多くは、「採用しても、またすぐに辞めてしまうかもしれない。。。」と懸念しがちです。アメリカでは、労働者数に占めるフリーランスの割合が多いようですが、日本はまだまだ少ないです。
システムエンジニア不足は今後も続きますが、将来的なことを考えると、SIerに外注する企業が増えることがあったとしても、個人事業主に仕事を振る企業はそんなに増えないかと思います。
特に事業会社では、自社のシステムエンジニアの採用を増やして、なるべく外注を減らそうとしている動きもあります。
大手企業のみしか転職先候補に入っていない
大手企業への転職を希望される方は非常に多いです。
一般的に、現職よりも良い環境を望むと、自ずと大手企業が候補になってきます。
ただし、やりたいことを実現できる環境が必ずしも大手企業にあるとは限りません。
私が転職支援した方の中には、リクルートテクノロジーズ含むリクルートグループや大手コンサルティングファームなどの内定を辞退して、優良ベンチャー企業に転職する方も多いです。
その方は「やりたいことだけを一番の転職軸にした結果でした」と言っていました。
現在、その方は転職先で事業部長になり活躍しております。
もちろん年収も、大手企業の同世代以上もらっています。
こういった例は珍しい話ではありません。
転職支援させていただく候補者の多くが、私との面談によって、キャリアの方向性が定まり、大手企業志向から、「本当にやりたいこと」を求めて転職先を選ぶようになっています。
コミュニケーション能力が不足している
黙々とスキルを磨いてきた方を悪くいうつもりはありませんが、システムエンジニアにも高いコミュニケーション能力は必須です。上流工程の仕事では、手を動かすことよりも、頭を使い提案や説明する機会のほうが多いです。
面接では、求めるスキルを満たしていてもコミュニケーション能力不足によって、見送りになっている方は非常に多いです。
大手SIerや事業会社、コンサルティングファーム、どの転職先でも、高いコミュニケーション能力は必須です。
システムエンジニアに求められるコミュニケーション能力について
SIerからの転職で失敗しないためにも人材紹介会社を使う
繰り返しになりますが、転職で失敗しないために人材紹介会社が存在しています。
特に紹介実績の多い人材紹介会社であれば、求人企業の人事並みの情報量を持っています。
そのため、人事には聞きづらい情報も選考前に聞くことができます。
私が転職支援した方の9割以上が、転職先に満足しており活躍されています。
残りの1割の方は、転職に失敗したわけではなく、転職先で方向性が変わったのです。
なかには、再度、私経由で他の企業に転職された方もいます。
求人企業と関係性を築くことはもちろんですが、それ以上に転職支援する候補者から信頼されることを大切にしています。
信頼できるキャリアコンサルタント経由で転職できれば、失敗する確率は限りなくゼロになるでしょう。
もし転職で失敗した経験のある方は、相談ベースでもよいので、ご連絡ください。
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