SIer出身者がITコンサルタントを目指して転職する際、有名なコンサルティングファームとして代表的なアクセンチュアに関するスカウトメールが多数届くでしょう。アクセンチュアは外資系コンサルティングファームとしては非常に有名で、またITコンサルタントを積極的に採用しています。
具体的な数字はわかりませんが、アクセンチュアを担当しているキャリアコンサルタントの話を聞くと、年間200人近くアクセンチュアに転職希望者を紹介していると言っていました。アクセンチュアは、特にSIer出身者を積極的に
採用しています。
ただし、個人的にはITコンサルタントとしてコンサルティング業務に携わりたい方はアクセンチュアをオススメしません。
コンサルティングファームだからといって、必ずしもコンサルティング業務に携われるとは限らないからです。
特にアクセンチュアという会社で働くことを目的に転職活動をされている方が多数います。アクセンチュアから内定が出たから何も考えずに内定を承諾するのは避けるべきです。アクセンチュアから内定が出ても、SI事業領域に配属されるのであれば、本来やりたかったコンサルティング業務にはチャレンジできないですからね。
SIer出身者にアクセンチュアをオススメしない理由
仕事がコンサルティング業務よりSI業務に偏りがち
アクセンチュアでの仕事の割合で大半を占めているのが、SIerとしての業務になります。これはアクセンチュアの事業モデルとしても公表されていることです。
もちろん中には、戦略や業務よりのコンサルティング業務もありますが、多くのSIer出身者がアサインされる可能性が高いのがSI業務です。
具体的な売り上げの割合でいうと、“システム構築50%、システム運用・保守20%、コンサルティング30%”といった感じです。こういった話を候補者へすると、「IBMみたいですね。。。」と言われます。
たしかにコンサルティング業務を売上比として、増やそうとしているのは確かですが、コンサルティング業務の案件数はデロイトやPWCと比較すると多くはないです。
残業過多になりワークライフバランスが取りづらい
アクセンチュアだけでなく、外資系コンサルティングファームの仕事はどこも残業過多で激務になりがちです。
少し前に聞いた話だと、終電を超えタクシーで帰ってた方や、オフィス近くに住んでいる方などがいると聞きます。
現在は、その時より就業環境が改善されたにしても、残業過多になる環境は変わりません。
完全実力主義のため、結果を出すために多少無理しようとする体育会系に近い環境があります。しかし、その分、マネージャー未満のコンサルタントとシニアコンサルタントには残業代がしっかり支給されるため、残業代で年間150~200万円程度上、稼ぐ方もいます。
仕事はスピーディかつ効率的に行われているため、仕事の出来る出来ない関わらず、同じくらい残業します。
むしろ、優秀な方ほど多く仕事を任せられるため、残業過多になりがちです。
長く働ける環境ではない
完全実力主義で、20代でも難しい仕事にアサインされ、経験が積めて成長できるのは確かです。そのため、昇進・昇給も早く、20代で管理職に就いている方もいます。一方、「長くいる会社ではない」という風潮があります。
風潮だけでなく、ワークライフバランスが取りづらいことや、残業時間がアサイン先のプロジェクトに左右されてしまいます。
またアサイン先が多岐に渡るため、専門領域を高めたい方には向かないかもしれません。
浅く広く業界のことを知れても、どうしても業界に特化してコンサルティング業務を行っている他のコンサルタントと比較するとスキル面では見劣りしてしまいます。
優秀な方ほど大手事業会社やリクルートグループに転職している
上述した内容を聞くと、アクセンチュアのことを悪く言っているように思えるかもしれませんが、転職市場として、アクセンチュア出身者の需要は高いです。短期間で急成長できるため、リクルートグループを含む大手事業会社は、そういった方を採用しています。
言い換えると、優秀な方ほど、在籍中に自分が専門的に極めたい分野を見極めて、大手事業会社への転職を考えます。特にリクルートグループへ転職を考える方の特徴として、「大規模、且つ、ユーザーの目に触れやすいプロジェクトに携わりたい」と思っている方が多いです。
年収アップ・スキルアップのみを望む若年層にアクセンチュアはオススメ
アクセンチュアに対して、ネガティブな情報を伝えようとしている訳ではありません。
あくまで、こちらで記載した内容は、私がお会いする候補者へ実際に伝えていることです。
そのため、なかには上記内容を理解したうえで、アクセンチュアへ転職を希望した方もいます。
希望した方の大半は、年収アップ・スキルアップを望んだ若年層の方でした。
ただ、その方達が口を揃えて、「アクセンチュアでスキルアップしたら新井さん経由で大手事業会社へ転職させてください。」と仰ってくれます。
そう言っていただけることはキャリアコンサルタント冥利に尽きる嬉しいお言葉です。
もし、アクセンチュアへの転職でお悩みの方は相談ベースでも構いませんので、ご連絡ください。
こちらの記事では書けないような、さらにリアルなお話もさせていただきます。
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